カラオケで歌うことでミックスボイスの練習を続けている筆者が、練習に良いと感じた楽曲を個人的な難易度評価付きでご紹介。
今日ご紹介する一曲は、「ブチ」です。貴方がスピッツファンでなければ、聞いたことが無い曲でしょう。
地声とミックスを何度も行き来する難易度の高いメロと終始ミックス音域なので気持ちよく発声可能なサビ。
ジェットコースターのように音程が上下する本曲、ぜひ挑戦してみてください!
「ブチ」について
難易度判定
スピッツの「ブチ」を練習する前に、本曲の難易度からお伝えしましょう。個人的な難易度評価は、「A-」となりました。
1. 速度 | 2. 音程処理 | 3. ロングトーン | 4. 難易度(C~S) | |||
テンポ | 早口度 | 音域 | 最高音 | 回数 | ||
ブチ | 普通 | やや早い | やや広い | 普通 | やや多い | A- |
リリース情報
2016年に発売されたスピッツの第15作アルバム「醒めない」に収録されている楽曲です。比較的、最近の曲と言えます。
カラオケ歌唱
DAM、JOY共に選曲可能ですので、特に気にする必要はないでしょう。
おススメする理由
それでは、ブチをおススメする理由を説明していきます。
最高音が「hiA」で良い
この曲の最高音はhiAです。最高音自体は、ミックスボイスを練習している方にとっては高すぎず低すぎずで丁度いい高さです。
メロが喚声点処理の練習に良い
メロの部分では、低めの音程から、徐々にミックス音域へ入るというパターンで展開されます。そのため、ずっとミックスで歌い続けるという訳にもいかず、地声からミックス、ミックスから地声という声の切り替えが求められます。
このメロディーを、音を全く外さず地声感を保ったままノーミスでミックス処理できれば、貴方はミックスボイス上級者と言えるでしょう。
メロの低い部分は、地声をしっかりと出し、音階が上がったときもその音色を残していけるように意識しながら、ミックスボイスへの移行していきましょう。地声の感覚を残すコツも別ページでご紹介していますので、参考にしてください。
サビが「ミックス発声」の確認に良い
総評
全編にわたり、ミックスボイスで歌う音域です。また、メロ部分と比べて早口度が軽減されているので、ミックスボイスの基本フォームを定着させる練習になります。
後述する通り、ロングトーンもありますが、「う」の母音も多く、比較的処理しやすいです。メロの部分で失った自信を、サビで取り返せるという意味でも、この曲は練習曲に良いと感じています。

サビの「難関ポイント」
サビは、楽曲中で2回。各サビの中では、hiAロングトーンが2回、プチ・ロングトーンが1回あります。
ロングトーンは2回とも「う」の母音で処理しやすいと言えますが、プチ・ロングトーンはそれぞれ「あ」と「え」ですので、それなりの難易度です。
「う」のロングトーンは喉が上がらないように、下方向を意識しながら発声しましょう。別記事:「Uで巻き込み感覚」も喉を上げない発声を実現する助けになる可能性がありますので、ぜひご確認ください。
「あ」や「え」の広い母音でのプチ・ロングトーンは、前の音から滑らかに音を繋げるよう意識をもって歌うとよいでしょう。
「広い母音が来る」と考えて意気込んだり、仕切り直すイメージで歌うと、母音が広くなり、息も吹き上げがちになり、喉がが上がりやすくなります。
最後で待ち受ける「最難関ポイント」
ラストサビが終わった後、この曲を閉める部分で、地声からミックスへの切り替えを求められるフレーズが、3連続でやってきます。
ここを完璧に歌い切れたなら、貴方はほぼプロ級です。私は、まだ上手くできませんので、これからも歌い続けて練習していきたいと思っています。
キー変更の有無
男性は原曲キー、女性は、3~4程キーを上げましょう。
キーを上げる際は、曲の最低音が「地声でも出せなくはないが、叫び気味になる、やや苦しい」程度の音に設定するようにしましょう。ただし、原曲の最高音がhiAであることを考慮しましょう。
さいごに
この曲は、地声とミックスをせわしなく行き来する必要があり、なかなか難易度が高いですが、我こそはミックス中級者、と言う方にはぜひ挑戦していただきたいです。
また、曲自体も短めで間奏が長くないため、ミックス練習のために何度も選曲するという事もアリかな、と思っています。ミックス10本ノックのように、10曲連続選曲なども、いいかもしれません。
「好きな曲を歌って、ミックスを練習する」。こんな素敵なことはありません。私の好きな曲が、貴方の練習曲になることを願っています!