人間は、忘れる生き物です。重要なことや忘れてはいけないことも、時間の経過とともに頭から抜け落ちていきます。
だからこそ、体との「対話ログ」を残すことが重要です。好奇心旺盛であること、研究熱心であることは、成長のために必要な要素です。
「体からの発言」に耳を傾け、さらに記録することで、貴方の成長速度は、間違いなく加速します!
人間という生き物
人は、物事を忘れる生き物です。そして、この性質は、我々が生きていくために必要不可欠な機能です。しかし、この機能がマイナスに働くこともあります。
私には、脳のメカニズムそのものについては、語れるほどの知識はありませんし、専門家のフリをするつもりもありません。しかし、「脳は忘れるという事実」と、「その防止策」は、経験的に学んできました。
私たちは、忘れる
私が思うに、我々には自信過剰な面があるようです。「これを忘れるはずがない」。そう考えてしまうのです。しかし、大変残念なことに私たちは、忘れます。
ここで必要なのは深呼吸。忘れることは脳の罪ではなく、我々の怠慢だと思いましょう。脳が物事を忘れるのは、良かれと思ってであり、我々のためなのですから。

ミックスボイスを定着させるために
ミックスの練習とは声帯にフォームを記憶させる練習と言い換えることができます。しかし、忘れっぽい私たちがそれ完璧にやり遂げるのは、容易ではありません。
そのため、練習時に「練習ノート」をつけ、感覚を言語化することをおススメします。感覚を再現する補助とするためです。
「練習ノート」の4つのメリット
練習ノートとは、その名の通り、歌の練習時に感じたことを記したノートの事です。発声時の感覚、練習した時間、印象に残った曲などを記録するのがおススメです。
また、新しい閃きがあったときも、必ずメモを残すようにしましょう。以下で、私が思う「練習ノート」が持つ4つのメリットをご紹介します。
メリット1 : 記憶が定着する
感覚を言語化しておくことで、記憶が定着しやすくなります。閃きで得た感覚は失いやすいため、「練習ノート」をつけることは非常に重要です。
「いい感じの感覚を閃いたが、次の日には上手く再現できなかった」。こんなことが無いように、メモ魔になるつもりで、どんどん記録を残していきましょう。
メリット2 : 取捨選択の根拠になる
「練習ノート」は、貴方の苦悩の歴史であり、歩いてきた道を示す宝の山です。何が貴方に合って、何がそうでなかったのか。体からの回答が、そこにあります。
ですから、「練習ノート」をつけておけば、外部から発声情報を得た時に、その情報を自分の実感覚に結び付けやすくなります。
「この人はこう言っているけれど、これは練習ノートのこの感覚と似ているな」と言った感じです。結果として、情報の見極めをしやすくなると言えます。
メリット3 : 新たな閃きに繋がる
この感覚とあの感覚を結び付けたらどうなるだろう。「練習ノート」を残しておくと、このような事後検討も可能になります。
文字として記録された感覚を読み直し、深堀りすることは重要です。停滞の打破、新たな閃き、成長への筋道など、声の改善に関する閃きが生まれる可能性が十分にあります。
メリット4 : モチベーション向上に繋がる
練習の成果を積み上げることは、自分の努力を認めてあげることにも繋がります。こんなに頑張ってきたんだな。こう思わせてくれるのが、「練習ノート」です。

参考:私の練習ノート
もちろん、私も練習メモをつけています。参考までに、私が「エレベーター感覚」を得たときの閃きを記した「練習ノート」を「原文ママ」で記載してみます。
喉を下げて、鼻の上あたりで声を膨らませる。花と虫のイメージ、フェイクファーのイメージ。喉を絞めてはいけない。
魚を歌う時の地声との連結感を忘れずに。背中を上手く使う。中音域は頭の後ろから息を流すイメージ、息を吹きつけNG。
喉の中に塊を意識し、一定の息を回し続けるイメージでもよい。
練習しながら感じたことを、携帯のメモ帳に殴り書きしています。中には、具体的な喉の状態とその再現イメージが記されています。
また、この感覚が上手くはまったときの曲の名前を記すことで、曲と感覚を結び付け、「記憶に味付け」もしています。
「地声と裏声を滑らかに繋ぐ独自感覚」も、ぜひご覧ください!
さいごに
ミックスボイスの感覚は、吹けば飛ぶような繊細なもの。感じたことをマメに記録し、後からで振り返ることで、着実に成長を積み上げていきましょう。
余談ですが、このブログを書くことは、私にとって大きな練習ノートを書いているに等しいものです。これからも、頑張ってボイトレしていきましょう!