成長のための知識・指針

ミックスボイスはコツで出せますか?いいえ、声帯周りの基礎筋力が無いと無理です

こんな記事

「ボイトレは、筋トレ」は、誤りではありません。発声は明らかに筋肉運動であり、ボイトレにも筋肉運動という側面があるからです。

ただし、ボイトレでの実りある筋トレとは、ただやみくもに筋肉を傷めつけて超回復を狙うものようなものではありません。

ボイトレにおいての筋トレは、声帯周りだけで十分。安全かつ効率的な練習で、しなやかな声帯フォームを手に入れましょう!

結論

発声練習とは、私たちが生まれながらに持ちながらも、忘却の彼方に追いやられた発声機構との協調関係を取り戻すことに他なりません。

この過程は、大きく分けて二つに分けられます。即ち、筋肉を呼び覚ます「起動フェイズ」と、その筋肉を使いこなす「操縦フェイズ」です。

ボイトレとは「再生・治療」

まずは、そもそもボイトレとは何かを確認します。そのために、ベル・カントの大家であるフレデリック・フースラー氏の言をお借りしましょう。

【フレデリック・フースラー著 「うたうこと」p10より引用】

声を形成する、すなわち声を訓練することは、再生の過程である。(中略)すべての芸術的考慮から離れて、声の訓練はこのように治療以外の何物でもない。

ボイトレとは、ラディカルなものではなく、治療・再生だと言えます。では、私たちは一体どのような方法で声の再生・治療に取り組めば良いのでしょうか?

「再生・治療」の二つのフェイズ

声を再生するためには、発声練習が必要ですが、発声練習は筋肉運動でもあります。従って、声の再生は、筋トレ的要素を持っていると言えます。

そして、その声の再生過程は、大別して2つのフェイズに分けられます。それぞれのそれぞれのステップを、起動フェイズと操縦フェイズと名付けました。

詳しくは後述しますが、起動フェイズは量や負荷を重視する純粋な筋トレ要素を含む一方、操縦フェイズは繊細なコントロールを養う訓練であり、純粋な意味での筋トレとは異なります。

1. 起動フェイズとは

起動フェイズにおける筋トレは、主にミックス練習の初期に取り組む筋トレで、息漏れのある裏声等の発声によって行う輪状甲状筋の強化がメインです。

喉を絞めずに行う限り、この練習に危険は殆どありません量をこなして筋肉を刺激し、強化するという、分かりやすい筋トレ要素が強く含まれる過程だと言えます。

【フレデリック・フースラー著 「うたうこと」p88より引用】

仮声をよく練習することは、全然危険はない。たとえ強く十分に訓練されても、それによって初めて、声がある声区から他の声区へひっくりかえる懸念がなくなりこそするが、まったく危険はないのである。

練習の目的

この練習は、「声帯フォーム」の構築に必要となる輪状甲状筋に最低限の覚醒を促すことを目標としています。コントロールへの意識はこの時点ではあまり必要ありません。このフェイズは、あくまで材料の収穫フェイズだからです。

私がこのフェイズにいた時、息漏れのある裏声の練習は、出来る限り筋肉を疲労させる意識で行ってきました。この意味で、私はこのフェイズは純粋な筋トレ的な取り組み方をしていたと言えるでしょう。

卒業の時期

このフェイズは重要な基礎練習ですが、ミックスボイス発声の核心である声帯コントロール練習にはなりません。ヘッドボイスの感覚がつかめてきたら、「操縦フェイズ」の筋トレへと移行しましょう。

2. 操縦フェイズとは

ミックスの基礎となる輪状甲状筋が目覚めたら、操縦モードに入っていきます。このフェイズでは、声帯フォームの繊細なコントロールを意識しながら練習します。

ここでの筋トレとは、神経支配の回復作業です。そして、その中で最も難しい課題が、ミックスの核となる声帯交錯筋の活性化です。

練習の目的

操縦フェイズにおける筋トレの目的は、必要な筋肉に「あいさつ回り」をし、眠っていた筋肉たちに活動を再開してもらうことです。

つまり、ボイトレにおける筋トレとは、必要な筋肉の目覚めを促し、筋肉と脳からの指令の連動率を高める訓練だと言えます。

【フレデリック・フースラー著 「うたうこと」p11より引用】

運動神経の刺激に対する反応が完全でないような筋肉力は役に立たない

目指すべき姿

声帯フォームは、極端な負荷に耐える力は必要なく、剛ではなく柔の性質を持つべきものです。具体的には、以下の様な特徴を持つのが理想です。

ミックス発声の理想

・声帯が健康的に振動
・息が効率よく声に変換される
・無駄な力みがない
・伸びやかな発声

目指すイメージは、ボディビルダーの様な豪放無比なものではなく、皿の上でプルプル震えるプリンのような柔軟な姿が適切です。

【フレデリック・フースラー著 「うたうこと」p87より引用】

要点は、声帯を最大限に伸展させ、声帯内筋の緊張は最小限に保つことである。

練習方法

プルプルプリンを、いかなるときも声帯フォームの中で再現できるかが勝負です。そして、これは簡単な事ではないため、地道な練習が必要です。

操縦フェイズでは、筋肉使用による筋肥大を目的とするのではなく、ひたすら声帯とその周辺の神経との対話を繰り返すことになります。

卒業の時期

この筋トレには殆ど終わりがないといえ、一生続く筋トレになると考えましょう。従って、卒業はあり得ないという事になります。

さいごに

ボイトレにおいて必要なのは、やみくもに筋肉を疲労させるような筋トレではなく、コントロール指令に瞬時に応じてくれる筋肉を養う筋トレです。

ボイトレは筋トレ。間違いではありませんが、その意味を正しく理解し、目的意識をしっかりと持って練習に取り組んでいきましょう!

エンゼルス大好き
すけまろ
myself
スピッツが大好きで10年来のファン。このブログは、そんな私によるスピッツのファンブログです。カラオケ大好き、スピッツの楽曲フルレビューにも挑戦中。歌手オーディションに3回合格。漫画、アニメ、読書も好き。スポーツ観戦がライフワーク。最近はエンゼルスに夢中で、ツイッターでは応援ツイートを垂れ流しています(笑)。貴方も、「LTBU」しませんか?
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