ミックスボイスには長い練習期間が必要です。しかし、より大切なのは練習期間であり、練習時間ではありません。
練習は短くてもいいから集中して、全力で行うことが大切です。短い時間でも本気でやり切った練習には、強い充実感を感じる物です。
状態が悪いときの練習は気分が乗りませんし、悪い状態をカバーするために変な癖がつきかねません。練習は、短く密度の濃い物で!
結論
継続は力なり。練習は出来る限り毎日行うのが望ましいです。ただし、長い練習をすれば良いという訳でもありません。
適切な練習時間は、最長2時間と考えています。コンディションやモチベにおいて高い水準を保てる時間内で、集中して練習しましょう。
ベストの練習時間
ボイトレに励む方の中には、文字通り朝から晩までカラオケで歌い続けるという方もいるでしょう。しかし、私は練習への姿勢について、以下を提唱します。
練習は、毎日1~2時間、集中してやろう!
かつての私は、仕事の昼休みに1時間程度のカラオケをすることを日課にしていました。その後、夜カラオケも出来れば、毎日2時間ですね。
なぜ毎日、短い時間なのか
歌を長い時間楽しむことは悪いことではありませんが、ミックスボイス開発の練習と言う観点から見ると、あまり効果的とは言えません。
練習では、声帯と体のコンディション、気分とモチベなどが高い水準にあることが望ましいです。そして、その状態を長時間練習で維持することが難しいのです。
毎日やれば、成長しやすい
繰り返し行ったことは、学習効果が高いことは学術的にも証明されています。毎日練習し、声帯にミックスボイスのフォームを記憶させましょう。
皆さん、学業や仕事に忙しいでしょうが、貴方が本気ならば1日1時間程度の捻出は可能なはずです。逆に1日1時間も確保できないとなると、前途多難です。
モチベーションとしても、日を跨ぐことで新鮮な炎を燃え上がらせることが出来ます。瑞々しいモチベーションで、毎日頑張りましょう!

長時間やると、変な癖がつく
長時間練習では、喉が枯れた状態で歌うことになりかねません。枯れた声帯を鳴らすためには息を吹き上げるしかありませんが、それはミックスの本質に反します。
声帯に声が引っかからない状態を維持できるかが、練習の質に直結します。この状態で練習できなくなったら、練習を中止しましょう。

長時間は、集中力が持たない
ミックスボイスは、声帯の繊細なコントロールの練習です。従って、その開発時期においては、発声状態における声帯の変化を脳内にありありと描く集中力が必要です。
しかし、残念なことに、私たちの集中力は持続しません。大学の講義が90分であること、映画の長さが2時間程度であることなどもそのことを示しています。
スピッツ草野さんは、プロになってから変わったことの一つとして「練習への向き合い方」を語っていらっしゃいました。集中して、短い時間で終わらせるようになったそうですよ。
歌以外も、歌
歌を歌うのは、全身運動であり、極端な言い方をすると人生表現でもあります。歌を歌う以外の様々な人生体験に触れることも、貴方の歌を高めてくれる要素です。
私は、歌の練習を中心に休日設計をしていますが、他の趣味や友人たちとの外出なども、大切にしています。毎日8時間カラオケにこもりきりでは、難しいことです。
個人としては、太陽の光をしっかりと浴びることが人生を豊かにしてくれると考えています。状況が許す範囲で積極的に外出し、適度な運動をすることが貴方の歌と人生に好影響をもたらすのだと確信しています。

さいごに
ミックスボイスは独学でも習得可能です。そこは、疑いようのない事実です。ただし、その獲得スピードは、練習量と正比例する訳ではありません。
大切なことは、理想的な発声を、出来る範囲で声帯フォーム上に再現すること。それが実現できる時間が延びれば伸びる程、その発声方法が貴方の物になっていきます。
悪い状態での長い発声練習より、短い時間の理想フォームの追及。これを積み重ねた期間が延びた時、貴方のミックスボイスは驚くような成長を遂げるでしょう。