ミックスボイスがこもってしまって、イマイチ声量が出ない。そういうお悩みは、ミックスボイス中級者に訪れがちな悩みです。
ただ、ご安心ください。ミックスボイスがこもってしまう原因としてありがちな3つの要素をピックアップしました。
声をこもらせてしまう要素を分析し、その要素を中庸にならしていくことが、こもりを改善する最良の道です。
結論
ミックスボイスがこもる場合、発声のバランスが崩れている可能性があります。何か、極端な意識を持って発声をしていないでしょうか?
発声のバランス整えれば、その結果として声のこもりも改善されます。こもりの改善は、目的ではなく結果だと考えると良いでしょう。
「こもる声」を改善しよう
声がこもる原因となりがちなのが、声を当てる方向と、それに伴ってほぼ必然的に起こる舌の位置の問題です。こもる声は、発声のバランスが崩れてしまった結果です。
では、発声のバランスが崩れてしまう原因には、どんな要因があるでしょうか?いくつかピックアップしてみましたので、以下の点を確認してみてください。
- 声を喉奥に引っ張り込もうとしていませんか?
- 舌の位置が極端に奥まっていませんか?
- 喉仏を下げようとしすぎていませんか?
いかがでしょうか?これらの意識は、いずれも発声のバランスを崩し、声をこもらせる原因になりかねません。それぞれについて、個別に解説していきましょう。
こもる声と薄い声は別物と考えています。薄い声とは、息漏れした存在感のない声。「別記事:薄い声の改善方法」も、ぜひご覧ください。
1. 声を奥へ引っ張る意識
ミックスボイスは地声張り上げとは違い、声を前に飛ばして出す声ではありません。特に鼻腔共鳴を意識することが、声の発展に大きく寄与してくれることがあります。しかし、ここに声をこもらせてしまう落とし穴があるのです。
つまり、鼻腔共鳴を意識するがあまり声を喉奥に通しすぎてしまうと、声自体が体の内部で鳴るだけで、外に届きにくくなってしまうのです。声を出すときは、体全体から光を発するがごとく、一定の方向に声がへだたらないようにしましょう。
こもる声を避けるため、声を喉奥に引っ張る意識を軽減しましょう。やりすぎはいけないと言うだけで、適度に引っ張るのはOKです。

2. 舌が下がっている
声を引っ張り込もうとする癖ともリンクすることですが、声を喉奥から通そうとすると舌の奥、つまり舌根が奥へ引っ込んで声がこもってしまうことがあります。そうなると声がこもってしまうため、舌の位置もチェックする必要があります。
この場合、舌を意識的に前に出すことで改善できます。発声時に舌先を前歯の裏辺りに持ってきたり、前歯の裏に声を当てる感覚を持ってみましょう。ただし、この方法はあくまで調整用で依存してはいけません。先述の通り、理想の声の方向は全体、です。
舌の位置は、歌唱にとっての本質的な要素ではありません。調整によって音色が改善することはありますが、悪癖を取り去ることが出来たら、最終的な舌の位置は平静時の場所にあるのが理想です。
3. 喉仏を落としすぎている
喉仏が低い状態で歌う事自体は、悪いことは考えていません。それが出来るという事は、発声に一定の自由を与えるポテンシャルがあると言えるからです。喉仏の位置を安定させることが出来るというのは、貴方の歌唱技術の高さを示しています。
ただし、喉仏を落とすぎた状態で歌い続けることを推奨する訳ではありません。声のこもりを感じるなら、中庸に寄せた歌い方を試してみましょう。「NAY」のスケールなど、ニメ声をイメージした声で、声を前に出す練習をするのも良いでしょう。
「喉仏の位置を気にしすぎないで」も、ぜひご覧ください!
理想的な発声のイメージが、喉仏を下げすぎた状態になっていることもあります。自分の声を録音しつつ、適宜調整しましょう。

さいごに
声がこもるのは、発声のバランスが崩れていることが原因です。極端なことを出来る限り排除し、ニュートラルな発声を目指すことで、声のこもりも改善されるでしょう。自然な発声を目指して、毎日コツコツ練習しましょうね!