ミックスボイスは本来枯れにくい発声であると言えますが、ミックスボイスを使って声を枯らすことも、大変に容易です。
ミックスボイスを無理やり出すことは出来るのです。このため、ミックスを習得したばかりの方は、喉枯れに悩まされることがあります。
この記事では、ミックスボイスの声枯れの原因を二つの側面から分析・解説し、貴方の声枯れの悩みを解消します!
結論
ミックスボイスは本来、枯れにくい発声です。すぐに声枯れを感じるような場合、声帯と発声の健康状態をチェックするべきです。
体調を万全にしたうえで、体にとって自然な発声を行う。このような原則に沿う事で、気になるほどの声枯れは起きなくなることでしょう。
ミックスボイスが掠れる原因
簡単に言えば、声帯に無理をさせてしまうから声が掠れるのです。それでは、声帯に無理をさせないために、意識するべき事項とはどんなことでしょうか?
- 体調は、万全か
- 体が目覚め、歌う準備ができているか
- 声帯を乾燥させていないか
以上は、準備に関する注意点です。これができていないと、発声技術に長けた人でも喉枯れを招きやすいです。続いては、歌唱技術に関する注意点についてです。
- 「声帯フォーム」を適切に使えているか
- 声を響かせる意識を持っているか
- 息をぶつけるような発声法になっていないか
1. 準備に関する注意点
まずは、喉枯れを避けるために必要な準備上の注意点について解説します。
a. 体調は万全か
ミックスボイスは、体調が悪い時、特に鼻風邪や喉風邪をひいているとき出しにくい声です。声が通常の息の量で、健康的に振動してくれないからです。
こんな時は、声を押し出す発声になり、声が枯れやすいです。言うまでもないことですが、休養第一で声を回復させるほかありません。

b. 体が目覚めているか
歌う事は、全身運動です。歌う前に、全身の筋肉をほぐしておくことは勿論、適切な水分補給などの準備をしておく必要があります。
声帯が目覚めるには、最低五時間が必要とされています。歌う時間から逆算し、声帯を起こした状態で歌い始めるようにしましょう。
c. 声帯を乾燥させていないか
声帯を乾燥させてしまえば、喉は枯れやすくなります。一日を過ごす部屋の湿度、歌うルームの湿度、そして口にする飲料などに気を払う必要があります。
エアコンは、声を枯らす盲点になりやすいです。使うのは構いませんが、エアコンの風が直接当たる位置にいるのは避けましょう。
2. 歌唱技術に関する注意点
続いては、喉枯れを避けるために必要な歌唱技術に関する注意点を解説していきます。
a. 「声帯フォーム」を適切に使えているか
ミックスでは閉鎖への意識が強まりがちですが、「声帯フォーム」は最大限の進展と最小限の閉鎖からなるべきです。喉絞め発声では、声はすぐに枯れてしまいます。
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少ない息でも、それを最大効率で声に変換すれば、十分に声量は出ます。ミックスボイスの理想は、軽やかかつ伸びやかに、です。

b. 声を響かせる意識を持っているか
ミックスボイスは、体全体に響かせることで声量を稼ぎます。声をどこか一点に集めすぎると、声枯れを招きます。典型的な悪例は、上ずった喉声です。
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喉声は、喉周りに無駄な力みも誘発しやすく、声枯れを招く悪癖です。声枯れに悩む方は、まずは喉声の改善を目指しましょう。
c. 息をぶつけていないか
ミックスボイスは、最小限の息を使って声帯を鳴らす発声法です。地声張り上げのように息を声帯にぶつけてしまえば、声はあっという間に枯れていきます。
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ミックスボイスに、常人離れした肺活量は必要ありません。むしろ普通の息を少しずつ声帯に当てる技量の方がよっぽど重要です。
さいごに
声帯を良い状態に保った上で、発声を自然の摂理に沿う様な形で行った場合、声枯れの進行は十分に防止できます。声を開放し、喉枯れを防止していきましょう!
理想的な発声でも声枯れは起こるという認識を持つことも重要です。声枯れに動揺して発声を乱してしまうようでは本末転倒です。