「素晴らしい音楽なくして、素晴らしい人生なし」。この記事は、そんな私の人生を彩ってくれる楽曲たちを紹介していくコーナーです。
今回は、2005年にPS2でリメイク発売された「ロマンシング・サ・ガ~ミンストレルソング~」、通称ミンサガの楽曲をご紹介します。
ゲーム自体は最近はプレイしていませんが、楽曲は、作業時やテンションを上げたいときに、今でも聴いています。ゲームの枠にとどまらない素晴らしい楽曲たちをご紹介していきます!
「ミンサガ」とは
ミンサガは、スーパーファミコンで発売された「ロマサガ1」のリメイク作品で、2005年にプレイステーション2で発売されたテレビゲームです。思い切った設定変更などもありましたが、その多くはおおむね好評を博したようです。
また、皆口裕子さんなど実力派声優の素晴らしい声当てがなされる中で、あるキャラの声当てが妙に棒読みであったことが受け、思わぬ盛り上がりも見せたゲームでした。
ロマサガとは
ロマサガは、スクウェア・エニックス制作の人気RPGの一つ。同社が手掛ける別のRPGシリーズであるドラクエ・FFと違った、少し捻くれた世界観が特徴のゲームです。私が最もやり込んだゲームの一つで、30回以上はクリアしました。
一部のアイテムを取得条件が、殆ど実現不可能なレベルに設定されていたこともあり、かなり玄人好みのゲームです。普通の人には無理なことも、玄人たちは「最高にロマンシング」と呟きながら、笑顔で立ち向かっていくのです。
ロマサガ音楽と言えば
ロマサガの音楽を担当する作曲家が、伊藤賢治さんです。ファンからは、親しみを込めてイトケンと呼ばれていますので、私もそう呼ばせていただくことにします。イトケンさんは、幅の広い音楽を生み出す、私が尊敬する作曲家の一人です。
イトケンさんご自身では、穏やかな曲が得意でバトル系の激しい曲は苦手だと語っています。しかし、彼が生み出すバトル曲は、素晴らしい物ばかり。勿論、得意と述べるバラード曲が素晴らしいことは、言うまでもありません!
おススメのミンサガ楽曲
今の私は、自宅でパソコンに向かって仕事をすることが多くなりました。そんな私の「仕事のおとも」の一つが素晴らしいミンサガの楽曲達なのです。今回は、以下のような視点から、私のおススメ曲をご紹介していきます!
1. 気分を盛り上げる曲
ロマサガは、冒険譚RPGですから、その根底には冒険、挑戦のDNAがあります。つまり、そのRPGを彩る楽曲の中には、私たちを奮い立たせる楽曲があるということ。紹介しだすとキリがないのですが、いくつかのおススメ曲をピックアップしました。
曲名 | コメント | お気に入り度 | |
a | オープニングタイトル | 壮大で優雅 | |
---|---|---|---|
b | 呼び醒まされた記憶 | 激しいバトル曲 | |
c | 熱情の律動 | 独特なバトル曲 | |
d | エンドタイトル | 優雅で優しい |
a. オープニングタイトル
ロマサガという冒険心に溢れたRPG全体のテーマが、本曲「オープニングタイトル」です。ゲームのオープニング画面で流れる本曲は、イトケンさんの十八番である美しいメロディーラインをベースにした、明るさと重厚さを併せ持った楽曲です。
このテーマは、すぎやまこういち氏の「ドラクエのテーマ」にも劣らない名曲だと感じています。「ドラクエのテーマ」が壮大な雰囲気だとするなら、この「オープニングタイトル」は、優雅な雰囲気と言えるかもしれません。
また、楽曲もそうですが、その演奏も素晴らしいです。ゲーム内の他の楽曲と異なるのは、その演奏形態です。この曲は、オーケストラによって演奏されます。統制の取れた力強く晴れやかな演奏が、爽やかな旅立ちを応援しているかのように感じます。
b. 呼び醒まされた記憶
この曲は、ゲーム内の主要なボスキャラとの対決時に流れる曲。その印象を簡単に言うと、「速く、激しく、カッコいい」です。特に、唸るようなエレキギターと激しすぎるドラムプレイが、強烈な印象を放っています。
大体3分くらいで一周する曲ですが、曲を通してこのドラムを叩いたら1kgは瘦せるのではないだろうかと思うほど、激しく強いドラム。そして、高らかに咆哮を上げるようなエレキギター。個人的には、ミンサガバトル曲のベストです。
「呼び醒まされた記憶」は、イトケンさんが手掛けた曲の中では知名度が高い曲ではないと思いますが、私としてはイトケンさんの最高傑作との呼び声高い、ロマサガ3の「四魔貴族バトル」にも匹敵する作品だと思っています。
c. 熱情の律動
この曲も、ミンサガの主要のボスキャラクターとの対決時のバトル曲です。ロマサガには珍しいボーカル入りの戦闘曲で、ネットで大きな話題となったため、ミンサガの曲の中で一番の知名度を持つ曲だと言って間違いないでしょう。
ロマサガの戦闘曲という枠組みはもちろん、ゲーム音楽の枠組みすら越えていく「熱情の律動」のような曲を作り出したという事実が、イトケンさんが多くのファンを惹きつけ、魅了してやまない理由なのではないでしょうか。
オンボーカルですが、その歌詞は特別な意味を持たない言葉を並べたスキャット。情熱的に踊るダンサーの魂の声のような力強いボーカルと、Queenの「Innuendo」を思わせるスパニッシュテイストのギターが大変カッコいいです。
d. エンドタイトル
この曲は、ミンサガという素晴らしいゲームのエンディング、スタッフロールで流れる曲です。「オープニングタイトル」と同様、オーケストラによる演奏が力強く美しいです。ミンサガの物語を締めくくる、素晴らしい楽曲だと言えます。
この手の「壮大かつ晴れやかな曲」を作らせたら、イトケンさんの右に出る人はそうそういないでしょう。爽やかで力強く、壮大。曲の途中には「オープニングタイトル」が組み込まれていますが、これは、終わりは行き止まりではなく、新しい物語の始まりでもあるというメッセージだと思っています。
苦難を含んだ長い旅路から帰還した冒険者たちの軌跡を讃えるような明るい演奏が、漲るような力をくれます。前向きに力強く門出を祝う楽曲であり、この曲を聴くと、気持ちが前向きに盛り上がるのを感じます。
2. 作業効率を上げる曲
ミンサガの楽曲は、作業時にも最適です。ワクワクする曲、穏やかな曲、クールな曲、少し悲し気な曲。山あり谷ありの物語を彩るBGMには色々なタイプの楽曲がありますが、その中から特に好んでBGM利用している曲をご紹介します。
曲名 | コメント | お気に入り度 | |
e | 風を感じて | ウキウキポップ | |
---|---|---|---|
f | 無垢なる守り人 | 穏やかさの象徴 | |
g | 絶対自由 | 飄々とした一曲 |
e. 風を感じて
元気いっぱい、好奇心旺盛で天真爛漫な女主人公「アイシャ」のテーマです。都会から離れて草原地帯で暮らす地方部族の一員で、彼女もそこで暮らしています。両親を早くに亡くしているため、族長のニザムに育てられています。
アイシャはお年頃の女の子なのですが、馬に乗って草原を駆け回るのが大好きなおてんば娘。本曲は、そんな彼女から見た、外の世界が持つ優しさとワクワク感とともに、どこかメルヘンチックな雰囲気も感じるウキウキポップ曲です。
明るく優しい日差しと、草原を吹き抜けるそよ風を感じる爽やかな楽曲。曲全体を包むポジティブなオーラが、前向きな気分にさせてくれます。ワルツ調のリズムが心地よく、何事もリズムに乗ってスイスイと片付けられそうです。
f. 無垢なる守り人
こちらは、主人公の一人であるクローディアという女性のテーマ。クローディアは、二大強国の一つ、バファル帝国の皇女なのですが、複雑な事情があって帝国の近くの通称「迷いの森」で、オウルという魔女に育てられました。
彼女は根は純粋なのですが、人里離れた迷いの森で育てられたために、人とのコミュニケーションを苦手にしていて、誤解されやすい面があります。ちなみに、彼女がいつも一緒にいる友達は、ブラウというクマと、シルベンという狼。
この曲は、そんなクローディアが胸に秘めた優しさと自然への愛情が表現された、柔らかなピアノが印象的な優しい楽曲です。主人公のテーマ曲では、この曲がベストでしょう。バラードが得意というイトケンさんの言を証明する、名曲です。
g. 絶対自由
お次は、初の男性キャラであるグレイのテーマ。グレイは、初めは帝国軍人でしたが、自由を感じられないことを嫌って出奔。冒険者として思いのままに各地を放浪しています。彼にとって、自由であることは決意ではなく事実です。
グレイは、自分の意思に従って行動することが全てと考えていて、その障害はどんな手を使っても排除するという覚悟を持った冒険者です。そういう冷酷さと、生き方を貫く強さを併せ持った、ほんのりダークな香りのする主人公です。
そんなグレイのテーマですから、今までの2曲とは違い、飄々とした雰囲気が強い楽曲になっています。笛のような音の楽器は、アンデス音楽でよく使われるものだそう。イトケンさん曰く、「テーマソングの中で一番苦労した曲」とのことです。
さいごに
ミンサガは、大変出来の良いゲームでしたが、素晴らしい楽曲たちがその完成度を支えた柱であったことは、疑いようがありません。今回紹介できなかった曲の中にも、素晴らしい楽曲がたくさんあります。