「素晴らしい音楽なくして、素晴らしい人生なし」。この記事は、そんな私の人生を彩ってくれる楽曲たちを紹介していくコーナーです。
今回の「愛のしるし」は、1998年に人気女性グループのPUFFYに草野さんの作詞・作曲で提供され、その後セルフカバーされた曲です。
以降では、そんな「愛のしるし」の魅力を語りつつ、歌詞の意味も考察。いつかあなたに愛を告白しようとする青年の物語を考えました!
「愛のしるし」とは
「愛のしるし」は、1998年にPUFFYに提供されたのち、1999年発売のスペシャルアルバム「花鳥風月」にも収録された楽曲。人気グループのPUFFYに提供された楽曲と言うこともあって広く知られた一曲は、ライトなノリのラブソングですね。
曲名 | 曲調 | 一般知名度 | お気に入り度 | |
1 | 愛のしるし | ライト&脱力 |
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1. 演奏への印象
「愛のしるし」の演奏には、軽快なノリと脱力感を同時に感じています。正統派ラブソングのような真っすぐな愛の輝きを感じるというより、一癖ある印象があるのです。例えばお気楽ロックとでもいうべきか、フラフラと風任せな印象がありますね。
演奏面で目立っているのは、軽快なドラム。シンプルなリズムを繰り返すドラムだからこそ生まれる「行進感」が耳を引きます。大げさに手を振りつつ茶化して歩くようなイメージが浮かんで来るこのドラム演奏が、曲のライトなノリの親玉でしょう。
ただし、ライトに振り切ったPUFFY版と比べれば、ロックな要素もあります。例えば、間奏のギターソロをはじめとしたギターは結構ロック。ただ、曲の閉め方はガス欠気味で脱力感があります。熱くならずボチボチやろう、的なノリでしょうか。
2. 個人的な想い
この「愛のしるし」は、私にとって特別な一曲。と言うのも、私がスピッツを本格的に好きになる以前からこの曲は知っていたからです。そして、その切欠は言うまでもなくPUFFYです。私が子どもの頃、よくテレビで耳にしていたのだと思います。
「とげまる」でスピッツファンになった私は、スピッツの作品を遡り、やがてこの「愛のしるし」が草野さんの作曲だったと知りました。ただし今でも、子どもの頃からの印象は振り払えず、この「愛のしるし」はPUFFYの曲というイメージが強いですね。
全体的にはポジティブでありつつも100%真面目とも言えず、斜めの視点を感じる歌詞を見るとスピッツらしいなとは思うのですがね。どちらが好きということではありませんが、私的にしっくりくるのは、やはりPUFFY版の「愛のしるし」なのです。
歌詞の世界を考える
ここからは、「愛のしるし」の歌詞を追いながら、歌詞の意味する世界を考えていきます。今回の考察テーマは、「波風越えていつの日か」としました。また、そのテーマを補足するために、以下の4つのトピックを準備してみました!
解釈は私の感想に過ぎず、全くもって他人に押し付けるものではありません。また、作詞意図に沿った「正解の解釈」より、私の感想が優先されます。なお以下で、私の解釈のスタンスをまとめています!
1. 考察の前提
「愛のしるし」はPUFFYへの提供曲ですから、女性目線の曲とすることも可能でしょうが、ここではスピッツ曲の男性目線の片思いの歌と考えます。つまり、内気な青年がトゲもある女性に憧れ、交流を通じて一方通行の愛を強めていく物語ですね。
ところで彼は、あなたに片思いの愛を抱いていますが、まだその愛を明かす時ではないと考えています。それは彼が、自分なりに成長の必要性を感じているから。だから彼は、不格好で不安定ながらも、一人でオールを手に人生という海を渡るのです。
また、彼が想い出を大切にしていますが、これは君の想い出でしょう。また、彼が想い出を振り返る以上、二人は離れた場所にいると考えられます。以降では、宝物だらけの世界で、彼にとってのたった一つの本物、あなたを想う青年の物語を考えます!
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2. いざ行かん
これまで臆病に自分の世界に籠って生きてきた彼。しかし、今の彼の心には、あなたへの愛が生まれていました。あなたは、ナイーブな彼とは相性が良さそうには思えない、少しトゲもある女性。ただ彼は、何故かあなたが気になって仕方がないのでした。
自分を傷つけるものを遠ざけることに執心していた昔の彼ならば、痛みを伴う感情に向き合おうとはしなかったでしょうが、今は違います。あなたの冗談めいた、しかしトゲある言葉を受けるのも思いのほか悪くなく、どこか心地よさすら感じるのでした。
そんなあなたへの愛は今や彼の生きる原動力ですが、愛の告白は時期尚早。彼は、今の自分ではあなたに一蹴されるだけで、愛を実らせるには成長が必要だと感じていたのです。内気な彼はヒーローにはなれずとも、ちょっぴりなら強くなれるはずです。
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3. 大切なもの
波に揺られて逆風を身に受けるのは、簡単なことではありません。そもそも、かつての彼はそれを恐れて自分の世界に籠っていたのですから。ただ今の彼は、あなたと交わした言葉を思い浮かべることで、うねる波風を越えることが出来るのでした。
意地悪な風は彼の耳元を吹き抜けるとき、彼が拠り所とする想い出は幻影だと言い残していきます。昔の彼なら、これを真に受けて落ち込んだことでしょう。しかし、今の彼は文字通りどこ吹く風。意地悪な風は所詮、何も分かっていないのです。
彼にとって、大切なのはあなただけ。ここが指パッチンひとつで何でも呼び出せるような素敵な世界だとしても、彼にとってあなたほどのものはありません。彼の心の中で輝く愛以上に彼を揺り動かすものなど、この世に存在するはずがないのです。
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4. 愛のしるし
いつかあなたと恋人同士になることを夢見て、一生懸命生きている彼。未だもって強くなったとは言えませんが、四苦八苦しながらもこのまま進んでいけたなら、必ずその日はやってくるでしょう。彼がこうやって温め続けた愛を打ち明けるその日が。
長い間無風の世界に籠っていた彼には、あなたへの愛はその効力が強すぎるのかもしれません。あなたへの愛は彼を支配し、他のことは一切考えられなくなるのですから。ただ彼は、心が麻痺したとさえ形容できそうな状態を楽しんでいるのでした。
まだまだ修行中の彼には、あなたへの愛を形あるものとして示すことは出来ません。ただ、いついかなる時も、何があろうとなかろうと彼を明るく照らす想いがあるのは事実。今の彼には、そんな想いが放つ輝きこそが、確かな「愛のしるし」でした!
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さいごに
「愛のしるし」は、メンバーによる着せ替えPVも面白いです。全体的に子供っぽい衣装が多く、歌詞中の主人公の青い印象にも重なります。また、お姉さんを制圧しようとして逆に制圧されるシーンも印象的で、あなたと彼の力関係が透けて見えますね!