スピッツの曲

スピッツの「青春生き残りゲーム」の感想。「独自のゲーム」を軸に、歌詞の意味も考察

青春生き残りゲームのイメージ
こんな記事

「素晴らしい音楽なくして、素晴らしい人生なし」。この記事は、そんな私の人生を彩ってくれる楽曲たちを紹介していくコーナーです。

今回の「青春生き残りゲームは、1999年発売の「99ep」に収録された、ロックなメロと明るいサビからなるミドルテンポの一曲です。

以降では、そんな「青春生き残りゲーム」の魅力を語りつつ、歌詞も考察。恋心に導かれ独自の生き方を始めた青年の物語を考えました!

「青春生き残りゲーム」とは

「青春生き残りゲーム」は、1999年に発売された「99ep」の収録楽曲の一つ。その後、2004年発売の「色々衣」にもリミックス収録されています。ロックな音作りを中心に据えながら、変化球成分とも言うべき、お試し要素も感じる一曲ですね。

曲名曲調一般知名度お気に入り度
1青春生き残りゲームスピッツロック
曲に感じるロックなイメージ

1. 演奏への印象

「青春生き残りゲーム」の演奏の中心に感じるのは、重厚なロック色。「99ep」の収録曲は、元々リリース予定は無かったそうですし、やりたい音楽を即興で鳴らしたらこんな感じになりましたのような、楽しそうなメンバーの姿が浮かんできます。

ただ、「青春生き残りゲーム」が重厚ロック一色かと言われれば、私の回答はノー。と言うのも、夢見心地のキーボード音が耳に残るからです。例えば、バグったファミコン的な音や、SF映画に出て来そうなワープ音的な何かに軽妙さを感じますね。

また、演奏面で一際目立つのは長い間奏。1分ほど続くその演奏は、まさにロックギターの独壇場で、特に後半部分ではギターがやりたい放題で暴れ回る感じです。ただ、ソロ終わりのサビからは急に素面に戻るような感じで、その変化も印象的ですね。

ワープ音のイメージ

2. 個人的な想い

「青春生き残りゲーム」は、強いギターリフが支えるロックなメロと比べ、そのサビは軽快な印象が強く、複数の顔を感じています。また、そのメロディーラインを比べてみても、動きの少ないメロと、普通に戻るサビという二面性を感じる私もいます。

メロディーの動きが少ないメロは、草野さんの歌い方にどこか気怠い印象を覚えます。一方、耳なじみの良いサビでは、一気に明るさが戻る感覚があります。サビでは星空や花に関する歌詞が登場しますが、その雰囲気に合った明るさを感じますね。

ところで私は、この「青春生き残りゲーム」に「スーパーノヴァ」に重なる雰囲気を感じています。ロック色が強いことはもちろんですが、メロディーの動きが少ないメロ、サビらしいサビという構成も似ています。どちらも、時々聴きたくなる曲ですね。

星空を描くサビのイメージ

 

歌詞の世界を考える

ここからは、「青春生き残りゲーム」の歌詞を追いながら、歌詞の意味する世界を考えていきます。今回の考察テーマは、「長く続いたゲームを離れ」としました。また、そのテーマを補足するために、以下の4つのトピックを準備してみました!

解釈は私の感想に過ぎず、全くもって他人に押し付けるものではありません。また、作詞意図に沿った「正解の解釈」より、私の感想が優先されます。なお以下で、私の解釈のスタンスまとめています

長く続いた糸を切るイメージ

1. 考察の前提

1番と2番のメロは主人公の描写でしょうが、一見一貫性がないと感じます。1番には寂しさを隠して強がる動的な姿、2番には斜に構えた静的な姿が浮かぶのです。ここでは、2番の語尾が過去形であることから、時間経過の示唆があると考えました。

また2番メロを見るに、離れ離れの君への想いを抱く彼は「ゲーム」と対立しているようです。私は、曲中には二つのゲームがあり、彼と対立するのが富や名声をゴールとする「人生勝ち上がりゲーム」、もう一つを「青春生き残りゲーム」としました。

「人生勝ち上がりゲーム」は、人類が古代から糸のように紡いできたもので、彼が住む街にも溢れているもの。ただ彼はそのゲームに熱中することはなく、その論理とは全く相容れない恋心に基く、彼独自の「青春生き残りゲーム」を始めていきます。

「人生勝ち上がりゲーム」は合理性の、恋心は不合理の集合体で、二つは対立する概念です。だからこそ、膨らんだ彼の恋心は「人生勝ち上がりゲーム」を終わらせたのです。以降では、膨らんだ恋心のせいで世界共通のゲームを降り、異なるゲームを始めた青年の物語を考えます!
彼がゲームをプレイするイメージ

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2. 人生勝ち上がりゲーム

大切な君と離れ離れで、この街で暮らす彼。この街では、誰もが幸せになろうと奔走しています。その様はまるで、幸せなアガリを目指すゲームをしているかのよう。そしてこのゲームに勝つのは、いつだって選ばれし者であり、彼ではないのでした

自分は別に、幸せになりたいなんて思っていない。彼は、そう考えて生きてきました。ただしそれは、彼の本心ではなく、そう思わないとやっていられないだけ。届きそうもない幸せを届く必要のない幸せだと思うのは、彼の強がり、自己防衛でした。

そして彼は、自分が届かぬ幸せを難なく手にした人々を見ると悔しくて仕方なく、心も荒れるのでした。彼の荒れようと言ったら、幸せそうな人に突っかかってイザコザを起こしたり、不健全で刹那的な手段で心の隙間を埋めることもあるほどでした。

寂しさと正しく向き合うことが出来ない彼は、暴れ者も同然。周りから見れば、彼は問題ごとを好む厄介者に映ったことでしょう。しかし本当は、彼はただ心の隙間を埋めたかっただけでした。ゲームでの劣等感もそうですが、何より大切な君と一緒にいることが出来ない寂しさを。
成功を目指す人生ゲームのイメージ

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3. 変わりゆく彼

満たされない心で荒れた生き方を続けた彼も、時と共に少しは成長していました。人生ゲームの批評家気取りで投げやりになっていた頃と比べれば、彼は少し前向きになったのです。都合の良い思い込みでも、明日に期待をかけるようになっていました。

過ちを繰り返した彼は、人生ゲームを斜めに見ても心は休まらず、むしろ負の連鎖に身を投じるようなものだと学んだのでした。彼は相変わらず未熟なままですが、心の在り方は変わりました。嫉妬ではなく、君のことを心に浮かべるようになった点で。

彼が心に抱いたのは、大切な君との再会の約束。一緒に楽しい時間を過ごした君、約束して別れた君、そして同じ空の下で一生懸命に生きている君との約束でした。彼は、イキイキと生きているはずの君を思い浮かべると、心が潤うのを感じるのでした。

ゲームで勝ち上がれないのは、他人の幸せを眺めてばかりなのは確かに辛いこと。しかし、嫉妬に捕らわれて醜い振舞いを続けて君に相応しい自分になれるかと言えば、当然そんなはずがありません。そう思うと彼は、自分がそれまで拘っていたことが愚かなことに思えるのでした。
負の螺旋のイメージ

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4. 青春生き残りゲーム

君との約束を心に据えて生きた彼は、いつしか新たな生き方を手にしていました。人生ゲームがチラつかせる正しい幸せに惑わされずに心を覗けば、本当に大切なのは君との再会だけ。それをかつて約した通りの場所で、かつての無邪気な自分に戻って。

華麗な姿に映らなくとも、負け組と思われても、日々を繋いでいければ十分。その日々を繋いだ先に、君との再会が待っているのですから。これは、正しい青春の姿を教える人生ゲームの論理では青春の浪費でしょうが、彼に気にするつもりはありません。

だから彼は、この街に不釣り合いの想い、膨らんだ君への想いを手紙にしました。遠くの君の下へ飛ぶ手紙は、彼と人生ゲームの決別の証。そして何より、君との再会の訪れを指折り数える、独自の「青春生き残りゲーム」の始まりを告げる正式な証でした!

私にとっての「青春生き残りゲーム」は、勝たなければ意味が無いという前提による人生ゲームがプレーされる街の中で、「明日へ辿り着く」という何ともみすぼらしい目標を追いかける青年の物語。彼は世界の常識と対立しつつも、彼にとって大切な目標に一歩ずつ進んでいきます!
彼が書いた手紙のイメージ

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さいごに

青春の意味を考えた時、人生ゲームには理想的な青春のテンプレートがあるのです。つまり、これとあれとそれをやることが理想的な青春の形であり意味だ、というような。しかし彼は、そんな正しい理論に背を向け、独自の青春を生きていくのです!

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