成長のための知識・指針

ミックスボイスとヘッドボイスの違いに拘る必要が無い理由をご存じですか?

こんな記事

ミックスが出来ないときに、ヘッドとミックスの違いを知りたいと思うのは当然です。勿論、両者は異なる発声です。

しかし、両者を根本的に異なる発声と捉えてはいけません。その考え方によってしまうと、地声に拘り続けるリスクを誘発するからです。

ヘッドを使い続ければ、花開きます。この記事では、両者の違いよりも大切なことをお伝えすることで、ミックス習得をサポートします。

結論

ヘッドとミックスを明確に区分する必要はありません。何故なら、それを区分することがミックス習得に役立つ訳ではないからです。

ヘッドに習熟してくれば、その声に地声っぽさを足していくことが出来るようになります。ヘッドの延長線上に、ミックスがあるのです。

「違い」は、気にしないで

ヘッドボイスとミックスボイスの違いが気になる方は多いでしょう。では、貴方は一体何故、両者の声の違いを知りたいのですか?おそらく、ミックス習得のためでしょう。

しかし、両者の違いを知ることがミックス習得に必須と言うのは誤解です。両者の違いを気にする必要はないのです。以下で、その理由を述べていきます。

過去の私は、ミックスとヘッドの間には決定的な違いがあると思っていましたが、今となってはそうでもないと感じています。

ヘッドボイスの理解で十分だから

ミックスの練習セオリーとして、喚声点付近で地声と裏声のパワーが釣り合わなくてはいけないという定説があることは、ご存じの事かと思います。

引用:コーネリウス・リード著 「ベル・カント唱法 その原理と実践」p110~111

胸声は、声区のブレイク点より上へは決して押し広げてはならないが、ファルセットの拡張は促進されるべきであり、胸声区の方へ<下げて>いかれねばならない

さて、この権威からの至言を受け入れるなら、ミックスの練習では、低い裏声をしっかりと練習することが必要なのだという結論になります。

この練習において使用すべき声は、ヘッドボイスです。この練習を継続することで見えてくるのが、ミックスボイスなのです。

ミックスボイスができない時点で必要なのは、ミックスボイスの正体を探ることではなく、ヘッドボイスを正しく理解し、練習することです。

自然に分かってくるものだから

ヘッドボイスに習熟してくると、その声を中音域で厚くすることが可能になってきます。つまり、ヘッドボイスにミックスの要素が加えられるようになるのです。

そうなれば、両者の違いは自然と理解できるでしょう。具体的には、後述する声帯フォーム上の「声帯交錯筋」の覚醒が、キーとなってきます。

どうか、安心してください。低いヘッドボイスを丁寧に練習することで、ミックス用の声帯の使い方が自然と分かってきます。

発声の仕組みが似ているから

そもそもの話、ヘッドボイスもミックスボイスもどちらも裏声ベースの声で、以下の様な声帯の使い方をする声です。両者の間に、地声と裏声ほどの差はありません。

【声帯フォーム】

声帯フォーム =(A.基本閉鎖 + B.特殊閉鎖)+ C.基本伸展

二つの声における声帯の使い方の違いを厳密に言うなら、ヘッド発声ではAとCのみ、ミックスではA~Cの全ての要素が稼働します。

ただし、二つの声は声帯をしっかりと伸ばし、軽やかに閉鎖する、という考え方を共有しているもので、閉鎖の強度が異なるだけです。

二つの声における「声帯の使い方の大枠」は似通っています。無理に違う物だと認識すると、発声上の混乱を招きかねません。

参考:ミックス習得の練習法

以上の理由から、ミックスボイスを習得するにあたって二つの声の違いを気にする必要はありません。では、どうすればミックスボイスを習得できるのでしょうか?

上の参考記事をご覧いただき、ひたすら練習に励んでください。正しい知識は大切ですが、知識は練習によって試行・改善されなければ意味がありません。

さいごに

ヘッドボイスとミックスボイスは、当然ですが、同一の発声ではありません。ただし、その違いを意識しすぎることは、ミックスボイスへの到達を遅くします。

大切なのは、低いヘッドボイスを使い続けながら、声帯交錯筋を目覚めさせていくこと。ヘッドボイスが十分に習熟した時、ミックスの芽が見えてくるでしょう。

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