「素晴らしい音楽なくして、素晴らしい人生なし」。この記事は、そんな私の人生を彩ってくれる楽曲たちを紹介していくコーナーです。
今回の「魔法」は、「オーロラになれなかった人のために」の先頭を切る一曲。オーケストラアレンジが映える、明るさを持つ曲ですね。
以降では、「魔法」の魅力を語りつつ、歌詞も考察。大切な君と一緒に過ごす温かな世界を目前に、冷たい風を感じた主人公は・・・。
「魔法」とは
「魔法」は、スピッツが1992年に発売した「オーロラになれなかった人のために」の収録曲。オーケストラアレンジが優美さと壮大さを演出する明るい一曲ですね。ただし、長い後奏では明るさが失われるため、一筋縄ではいかない曲との印象もあります。
曲名 | 曲調 | 一般知名度 | お気に入り度 | |
1 | 魔法 | 明るく寂しい |
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1. 演奏への印象
「魔法」には、オーケストラアレンジの華やかな印象が強いです。そんな「魔法」が運ぶワクワク感には、そのアレンジはともかく「見っけ」に通じるものを感じています。どちらの曲もアルバムの先頭曲で、楽し気な雰囲気を振りまく曲ですね。
ただ、「魔法」と「見っけ」では、後奏の雰囲気が大きく異なります。「見っけ」では楽し気な雰囲気が続きますが、「魔法」ではその表情が一変。宇宙空間を漂うかのような虚無感を感じる後奏には、曲中のウキウキが全て幻だったと感じるほどです。
もちろん、この印象は「魔法」が属するアルバム全体の印象、そしてそのアルバムでの立ち位置に大きく影響を受けたものです。ただ、ウキウキ100%で閉めることも出来た中で、あえて微睡みの後奏を入れたことには、特別な何かを感じる私がいますね。
2. 個人的な想い
ところで、私はこの「魔法」にとても個人的な印象を重ねてもいます。その印象とは、私が子どもの頃好きだったゲーム「FF8」との繋がり。ゲーム内でバンド演奏をするシーンがあるのですが、その際の演奏の雰囲気がイントロの雰囲気と被るのです。
時系列的には「魔法」の発売はFF8よりも先ですが、私が本格的にスピッツを知ったのは2010年であるため、個人的な順番は逆。そんなわけで、「魔法」のイントロを聴くと、ゲーム内シーンの中心キャラ、「セルフィ」が浮かんで来ますね(笑)
実際、「魔法」のイントロにゲーム内の曲の主旋律を続けてみると結構フィットします。音楽理論は門外漢ですが、コード進行が似ているのかもしれません。いずれにせよ、私はFF8も大好きなので、「魔法」の印象にはその気持ちがプラスされますね!
歌詞の世界を考える
ここからは、「魔法」の歌詞を追いながら、歌詞の意味する世界を考えていきます。なお、今回の歌詞解釈のテーマは、「希望の魔法と冷たい風」としました。また、そのテーマを補足するために、以下の2つのトピックを準備してみました!
解釈は私の感想に過ぎず、全くもって他人に押し付けるものではありません。また、作詞意図に沿った「正解の解釈」より、私の感想が優先されます。なお以下で、私の解釈のスタンスをまとめています!
1. 考察の前提
これは別に公式発表でもなんでもなくただの私の感想ですが、私は「魔法」が収録された「オーロラになれなかった人のために」は一続きの物語と感じています。そこで、今回の「魔法」の解釈でも、アルバム全体の流れを考えつつ解釈していきます。
なお、物語全体の流れは、田舎での君との小さな幸せを望んだ青年が、出て来た街での生活で純心を汚され、澱み極まり君に不信を抱き、後に自らの過ちを知るも、君のためと考え君に別れを突き付ける一方、内心秘かに君を想い続けるというものとします。
そして、この「魔法」は他の収録曲が完成した後に追加された曲ということもあり、今回の「一続きの物語」の解釈でも時系列的に最新とします。つまり、「魔法」は全てが決着した後の物語であり、彼と君とはもう永遠の別れを済ませた後だとします。
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2. 魔法
ああ、その時はもうすぐ。世界に広がる闇も、すぐに打ち払われるでしょう。心を陰鬱な色で塗りたくるこの嘘っぱちの世界を越え、真実の世界へ。君のいない、この嘘の世界はもうここまで。これから彼は真実の世界、二人だけの世界で生きるのです。
もう一度、君と幸せに。夜空で朧気に輝くあの星も、そんな無垢なる願いを叶えるために力を貸してくれそうです。もうすぐ彼は、一度は手放してしまった笑顔に包まれるでしょう。そのとき彼は、君こそが人生の意味だと確信するに違いありません。
沈んでいた胸の内からも、希望の歌が高らかに響き始めました。その美しき調べは、瞬く間に輝く魔法に変わり、深き闇を消し飛ばしてくれました。目の前に現れたこの河を越えれば、そこは君と一緒の幸せな世界です!ああ、なんて冷たい風・・・。
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さいごに
「涙」で君に別れを告げた彼は、君に冷たく振舞ったでしょう。彼の目的は、君を自分から解き放って君を幸せに導くことなのですから。もちろん、彼は今でも君を大切に想っています。だからこそ彼は、叶わなかった君との幸せを想い続けるのです。