スピッツの曲

スピッツの「ハチミツ」の魅力を語る。歌詞も独自の視点で考察

ハチミツのイメージ
こんな記事

「素晴らしい音楽なくして、素晴らしい人生なし」。この記事は、そんな私の人生を彩ってくれる楽曲たちを紹介していくコーナーです。

今回の「ハチミツは、スピッツの6thアルバム「ハチミツ」のタイトルナンバーであり、アルバムの先頭バッター。初めてオリコン1位を獲得したアルバムを象徴するポップな楽曲ですね。

この記事では、そんな「ハチミツ」の魅力を語り、その歌詞の意味も考察します。「ハチミツ」の恋人とは、どんな人物でしょう?

「ハチミツ」とは

「ハチミツ」は、1995年にスピッツが発売した6thアルバム「ハチミツ」のタイトルナンバー。スピッツの歴代オリジナルアルバムの中で、最多売上を誇る「ハチミツ」をリードするポップナンバーで、体を揺らしたくなる軽快なリズムが魅力的です。

曲名曲調一般知名度お気に入り度
1ハチミツポップ&キュート
ハチミツのイメージ

 

1. 演奏への印象

「ハチミツ」の演奏は、とにかく楽しそう、軽快な印象に溢れています。曲の特殊なリズムもあってか、曲のリズムに合わせて体を揺らしたくなります。素敵な演奏での一番のお気に入りは、イントロとメロの後ろで聴こえるギターアルペジオです。

また、「ハチミツ」の演奏時間は僅か3分程度であり、濃密かつコンパクトな曲と言う印象もあります。後奏が40秒ほどあるので、実質的にはイントロ、1番メロ、サビ、2番メロ、サビ、間奏、ラスサビと言う流れを僅か2分強でやるわけですからね。

メロとサビでは演奏の印象が異なりますが、それはリズムの取り方がメロとサビで異なるから。試しに、リズムを取りながら1,2,3,4とカウントを取ってみると分かるでしょう。サビは1~4を繰り返すことが出来ますが、メロでは5,6が入る感じです。

メトロノームでリズムを考えるイメージ

2. 個人的な想い

「ハチミツ」にはPVが制作さていて、その中ではメンバーが無邪気に遊ぶ様子が納められていますが、その様子がスピッツらしくてほんわかします。PVでのメンバーの姿は、多少の誇張はあるにしても、真実の姿の延長上にあるでしょう。

飾らず自然体で、仲良く音楽をやる。そんなメンバーが集まったからこそ、スピッツと言うバンドは、魅力的な音楽を作り続けているのだと思います。そして、私にとってそんなスピッツらしさを強く感じる曲の一つが、この「ハチミツ」なのです。

ライブ「横浜サンセット」では、草野さんが歌詞を間違い「やっちまった」という顔をする一コマがありましたね。草野さんの思わぬミスに、他のメンバーは苦笑。ほんわかしたスピッツに私もニヤニヤしてしまいます。ミスなんて、全然気になりませんね!

横浜サンセットが行われた横浜赤レンガ倉庫のイメージ

 

歌詞の世界を考える

ここからは、「ハチミツ」の歌詞を見つつ、その歌詞が意味する世界を考えていきます。今回の考察のテーマは、「ハチミツの心を取り戻す」としました。そんな考察のテーマを補足するトピックとして、以下の3つを準備しました!

曲解釈は私の想像であり、他人に押し付ける物ではありません。ただ、出来る限り想像の根拠が提示できるように、歌詞とリンクさせながら進めていきます。私の想像を楽しんでいただけると、嬉しく思います!

ハチミツのイメージ

 

1. 孤独なこころ

1番のメロでは、湿り気を帯びたビスケットの描写がありますが、これは君と出会う以前の彼の日々を示唆しています。その日々が湿っているのは、彼の日々に充実感がないからでしょう。時には、涙に濡れることもあったのかもしれません。

彼を苦しめる最大の要素は、孤独感。彼には、本心を打ち明けることが出来る存在がいないのです。しかし彼は、そんな孤独な日々を、何とか乗り切ってきました。ギリギリで何とか踏みとどまるその姿は、まるで暗闇の中で綱渡りをするかのようです。

孤独感に震える彼の姿は、無力な子犬の様でもあります。そして、孤独の寒風に震えてきた彼は、豊かな感情、ハチミツの心を失いつつあります。幼き日々に持っていたハチミツの心は、孤独の寒風の前にカチコチに固まってしまったのです。

私は、この曲での「ハチミツ」は、主人公の情緒を示していると考えています。また、ハチミツは、外気温が低くなると液体から固体へと変わってしまう物です。孤独感にさいなまれる日々で凍えてしまった彼の心は、潤いある感情を凍り付かせてしまったのではないでしょうか。
固まったハチミツのイメージ

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2. 光に照らされて

ただし彼の心は、絶望の暗闇に染まっているわけではありません。彼が孤独な日々を乗り切ることができるのは、彼の心に微かな希望があるから。彼は、綱渡りの人生の先にあるかもしれない、まだ見ぬ光を目指して日々を過ごしていたのです。

そんな彼は、苦悩の果てに、光を見つけることが出来ました。彼が見つけた光こそが、君だったのは言うまでもありません。子供を卒業してからは、誰にも心を打ち明けることが出来なかった彼が、すんなりと本心を出せる存在が君だったのです。

君は、大人の論理に染まり切らず生きているようです。君は、大人の常識がガラクタと規定するような幼い感情を、心の中に秘めているのです。そんな君の姿に気づいた彼は、君の前では取り繕う必要が無いと感じ始めます。ありのままでいい、と。

彼の光である君の性格は、ちょっと子供っぽいと描写されています。少し意固地であり、内気な部分もある君。その姿は、大人として成熟しきっていないとも言えます。しかし、成熟した世界の中で凍えてきた彼にとっては、君の未熟な姿はどこか懐かしく、温かな物に映ったのです。
昔を懐かしむイメージ

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3. ハチミツ

苦難の日々でも、光を求めることを決して諦めなかったからこそ、彼は君と言う光を見つけることが出来ました。そして、君との交流の日々は、孤独の寒風に凍りついていた彼の心を温かく照らし、固まっていた彼の心のハチミツにも届いていきます。

二人の交流は、大人の論理から言えば大人げなく映るかもしれませんが、彼は気にしません。懐かしい子供っぽい遊びこそが、彼の心を明るく照らしてくれるのです。世界の論理が必要と主張した「宝石の輝き」など、無くても大丈夫だったのです。

君が放つ光は、彼の心を溶かしていきます。そのやり方は、強い力で激しい変化を引き起こす物ではなく、蝶結びの糸を引くようなスムーズな物。彼の心のハチミツは、ゆっくりと温められ、かつての風味を損なうことなく、輝きを取り戻していくのです!

私にとっての「ハチミツ」は、孤独な日々を送ってきた主人公が、君と言う一風変わった存在と出会い、かつての自分らしさを取り戻していく歌。主人公と君とは、本質的には似た者同士だとも感じています。だからこそ、自然と二人の世界を分かち合えたのではないでしょうか。
君がくれる光のイメージ

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さいごに

以上が、私なりの「ハチミツ」の解釈でした。人は誰しも、ハチミツの心を持っているはずです。それは、優しさと甘さと、少しばかりの愚かさを含んだ心。大人としての見てくれに拘りすぎず、大切なものは持ち続けていたいと思います!

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