「素晴らしい音楽なくして、素晴らしい人生なし」。この記事は、そんな私の人生を彩ってくれる楽曲たちを紹介していくコーナーです。
今回の「恋のうた」は、スピッツの2ndアルバム「名前をつけてやる」に収録されたポップな楽曲で、その後に繋がるスピッツらしさを考える転機になった曲としても知られています。
この記事では、そんな「恋のうた」への感想を述べつつ、その優しい歌詞が描く世界についても、簡単な考察をしていきます!
「恋のうた」とは
「恋のうた」は、スピッツの2ndアルバム「名前をつけてやる」の収録曲。スピッツの楽曲の中で、最高級に甘く、純情な曲と言えます。スピッツの魅力の一つであるポップさが、余すところなく散りばめられた純度100%のラブソングです!
曲名 | 曲調 | 一般知名度 | お気に入り度 | |
1 | 恋のうた | ポップスウィート |
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1. 演奏の魅力
私の世代で人気を博した、Sから始まるお笑い芸人のネタが浮かんでくるほどに、甘さ満点の楽曲で、ポップな演奏が楽しめます。演奏だけなら「みんなの歌」に出てきても違和感のない、万人受けタイプのポップさと言っても良いでしょう。
この曲の演奏で、特に気になる点が2つ。最初の一つは、メロ終わりのベースラインの動き。この動き、「サザエさんのテーマ」と似ていますよね。この部分を聴くたびに、頭の中にサザエさんが浮かんで、ニコニコしてしまいます。
2つ目は、何の音か不明ですが、ギターソロの背後の「動物の鳴き声っぽい音」。深読みしすぎでしょうが、愛の感情は全ての動物が共有する感情という示唆かもしれません。色々な動物が一緒に歌っているような気がしてきませんか?
2. 個人的な想い
私は、この手のポップな楽曲もスピッツが持つ素晴らしい一面だと感じています。心の中にピュアな気持ちを呼び起こしてくれる演奏を、ロックではないという理由だけで遠ざけるとしたら、それは音楽の楽しみ方として勿体ないと思います。
今となっては若気の至りですが、学生のころの私は、Queenを中心としたロック以外の音楽を聴かず嫌いするタイプでした。今では、それを良く分かっているつもりですが、何かを認めるために何かを下げる必要などないのですよね。
私が感じるこの曲の軸は、「純なるこころ」でしょうか。曲の歌詞は、いつもの天邪鬼さは控えめですし、細々した解釈の全てを吹き飛ばすほどにサビの歌詞が直球ですね。とにかく、君への恋心を何より大切にする姿勢を感じれば十分なのでしょう!
歌詞の世界を考える
この曲を聴いて感じるポジティブな感情こそが、この曲の最大の解釈だとは思いますが、。歌詞の解釈も一応行います。今回の解釈のテーマは、「純なるこころ」としました。そのテーマを補足するため、以下の3つのトピックをご用意しました!
曲解釈はただの妄想であり、他人に押し付ける物ではありません。この曲を楽しむための私なりの妄想というだけですから、ご容赦ください!単純に、こういう話も当てはまるかもな、というだけの妄想です!
1. 片思いのうた
歌詞冒頭で描かれる「溢れそうな気持ち」とは、君への恋心と考えて問題ないでしょう。またそんな彼は、奇妙な夢をたくさん見ているようですが、これらの夢も、「君との幸せな日々」に関する明るい夢だと考えて良いでしょう。
ところで、「夢を見ていた彼」は、「彼女の頭上にいる」とされていますが、この2つの描写を繋ぐのは、逆接の接続詞です。つまり、「夢を見ている、しかし」ということ。これは、夢とは異なる現実が存在するという示唆ではないでしょうか。
そもそもの話、彼の夢が奇妙なのも、その夢が現実的ではないからかもしれません。さらに、溢れそうな気持を留めようとする事情もあるようです。これらのことは、彼の恋心が、片思いの心であると示唆している気がしています。
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2. 純情のうた
彼が君に向ける「純なるこころ」が、サビで歌われています。君と出会えた喜びを、これ以上無いほど高らかに歌い上げる彼の心が、そこにはあります。愛ではなく恋という言葉を使い続けるところに、彼の初々しく純真な心を感じます。
とはいえ、曲内で表現されるこころは、Queenの「I was born to love you」で歌われている内容と類似しています。むしろ、タイトルそのままですね。主人公にとっての生きる理由とは、全て君を幸せにすることであると歌われているのですから。
また、君が悲しみに暮れているときにこそ、自分の傍に来て欲しいと願う彼の姿勢には、彼の真なる献身の心が表れていると言えるでしょう。この姿勢は、ギブ&テイクの考え方から言えば、明らかにギブの心を示しているものですからね。
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3. 恋のうた
そんな彼は、細い道を振り向かずに歩いていくようです。また、彼が振り向かない理由は、過去でも未来でもなく、今の君が大事だからとされています。このことから、彼が歩むその道とは、今の君と触れ合える彼の人生そのものだと言えるでしょう。
ところで白色は、純粋な物や美しい物を象徴する色だと考えています。そして、彼が歩む道も、優しい白色で彩られているようです。これは、君がくれる恋の喜びに染まる彼の人生が、美しく輝いていることを示している気がしています。
また、彼の歩む道が細いのは、人生が決して一筋縄ではいかないことを示しているのかもしれません。しかし、それほど心配する必要はないでしょう。君への純情を胸に抱き続ける限り、その道は、美しく輝いているはずですから。
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さいごに
様々な解釈があろうこの曲ですが、一番のキーは「君への純情」のはず。そして、その想いが片思いであれ、両想いであれ、はたまた幽霊の愛であれ、大した問題ではないはずです。この曲が持つ優しい色を楽しむことが、一番大事かもしれませんね!
「2ndアルバム、「名前をつけてやる」を語る」も、ぜひご覧下さい!