スピッツの曲

スピッツの日曜日の魅力を語る。歌詞の意味も独自解釈

スピッツの日曜日の戦車のイメージ
こんな記事

「素晴らしい音楽なくして、素晴らしい人生なし」。この記事は、そんな私の人生を彩ってくれる楽曲たちを紹介していくコーナーです。

今回ご紹介する「日曜日」は、スピッツの2作目のアルバム「名前をつけてやる」に収録された、「メルヘンでルンルン♪」な超良曲です。この曲を聴けば、貴方の心も草野さんワールドに導かれるでしょう!

この記事では、そんな「日曜日」の感想を述べたうえで、その童話のような歌詞が示す世界について考えていきます。日曜日の昼下がり、戦車に乗って進む二人は、どこへいくのでしょうか?

「日曜日」とは

「日曜日」は、1991年発売のスピッツの2ndアルバムである「名前をつけてやる」の収録曲。メルヘンチックな歌詞が印象的な本曲は、絵本の中に広がる世界の様です。曲調もポップで聴きやすく、一般受けしそうです。ぜひ、聴いてみてください!

曲名曲調一般知名度お気に入り度
1日曜日メルヘンポップ
an image of fantasy this song has

1. 演奏とボーカル

曲で歌われる内容は、非常にキュートです。ただし演奏は、ロックンロール仕様です。特に、所狭しと動き回るベースが印象的ですね。もちろん、リダこと田村さんがステージ上をよろけまわって演奏している姿が思い浮かびます(笑)

また、非常にコンパクト仕様で、演奏時間はなんと驚きの2分36秒。さらに、間奏も短めで、一気に最初から最後まで駆け抜ける感じ。目の前を楽しそうに駆け抜けていった登場人物の二人は、あっという間に見えなくなってしまいます。

ボーカルは、とにかくキュートですね。メルヘンな世界観と、初期の草野さんの声質はこれ以上ないほどに相性抜群。まさに、水を得た魚という所ですね。このボーカルがあるからこそ、この曲の童話的な世界観が鮮明な映像を伴って、私達に届くのです。

この曲に強い印象を持つベースのイメージ

2. 個人的な想い

スピッツの歌詞が描く世界は多種多様で、それぞれが魅力的です。そして、この「日曜日」は、メルヘンな世界を描いた曲の最高峰であると言っても良いでしょう。楽しそうに童話的な世界を跳ねる二人の姿が、鮮明に浮かんで来ます。

この曲をピンクな意味での解釈も多いようですが、私個人としては、そうは感じていません。曲の持つ雰囲気に騙されているのかもしれませんが、私にとってのこの曲は、美しい世界を無邪気に、好奇心だけをガソリンとして駆け回る二人の物語。

もともと空想好きで、自分で小説を書いてみたりもしている私ですから、こんな美しく楽しそうな世界が出てくれば、それはもう、大好物以外の何物でもありません。スピッツの描く、僅かな毒を含んだキュートな幻想を、貴方にもぜひ楽しんでほしいです!

日曜日のイメージ

 

歌詞の世界を考える

ここからは、「日曜日」の歌詞を具体的な形で検討しながら、その歌詞が持つ意味や描かれる世界観を考えていきます!今回のテーマは、「好奇心への純情」としました。そのテーマを、以下の4つのトピックから考えていきます!

曲解釈はただの妄想であり、他人に押し付ける物ではありません。この曲を楽しむための私なりの妄想というだけですから、ご容赦ください!単純に、こういう話も当てはまるかもな、というだけの妄想です

1. 曲の印象

この曲の歌詞を眺め、解釈に重要だと感じたのは、Cメロ部分でした。そこでは、女神とカラスが対比的に扱われ、二人がカラスの方に気を惹かれている様子が描かれています。しかも、そのカラスはほら吹きだと分かっているのにも関わらず、です。

どうやら、登場する二人の心には、女神様がのたまう聖なる癒しの言葉は、響かなかったようです。しかし、嘘つきなカラスの調子っぱずれな歌は、彼らの心に残りました。この部分は、「常識への反発、好奇心への純情」を表していると感じました。

二人は、女神様のありがたい言葉にすがって、現実世界で受ける傷を癒しながら生きるのではなく、そもそも抑圧や攻撃などない世界で生きたいのかもしれません。そして、その世界へと二人を誘うのが、嘘つきカラスなのではないでしょうか?

曲中の二人は、現実世界を窮屈に生きている若い男女のイメージ。この曲は、そんな二人が好奇心だらけの夢の世界に戻って、遊びまわりたいという気持ちを歌った歌でしょうか。タイトルの「日曜日」は、二人が現実から離れて高揚感に浸る日を象徴しているのかもしれません。
スピッツの日曜日が描く世界のイメージ

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2. いざ、出陣!

1番のメロで歌われるのは、日曜日に、たまの息抜きとして昔の気分で遊びまわろうとする二人の姿かもしれません。そんな描写の中には、「戦車」という言葉があります。美しく可愛い世界観の中で、「二人が乗る戦車」は、かなり浮いて見えます。

私は、この「戦車」が、現実世界の攻撃から身を守るための防壁や処世術を示しているのではないか、と解釈しました。二人は、楽しい魔法の世界を目指して出発するわけですが、この時点ではまだ現実世界の流儀を捨てきれずにいるわけです。

しかしそんな二人にも、昨晩見た夢の力が宿っています。その夢は、優しく、愉快な住人だらけの世界で遊びまわる夢だったかもしれません。その夢がくれた魔法の力を胸に、二人は魔法の世界を目指して、意気揚々と戦車を進めていきます。

そんな彼らは、記憶の中でおぼろげになった花を探しています。現実の中で、忘れかけていたが、まだかろうじて記憶にある花。その花とは、昔住んでいた幻の世界の象徴としての花なのかもしれません。その花が咲き誇る場所に、幻の世界の中心があるのかもしれません!
二人が探す記憶の花のイメージ

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3. 戦車よ、進め!

戦車に乗った二人は、魔法の世界を目指してずんずんと進んでいきます。その様子が2番のメロで歌われているのではないでしょうか。その描写の中で、少し気になるのが二人の日曜日の冒険が、ややマズイ方向に転がっていることを示唆する歌詞です。

私はこれを、「昨晩の魔法」の効果が切れかかってきているからだと感じています。魔法の国へ行くためには、夢の力が必要です。直後に、君が湖に飛び込む描写がありますが、その湖とは、魔法の力を回復させる、魔法の湖なのではないでしょうか。

魔法の泉に飛び込んで力を回復した二人は、再び魔法の世界を目指して進み始めます。二人の視界には、先ほどまでは見えなかった鬼たちの姿が見え始めました。彼らは、平和そうにお昼寝中。魔法の世界は、だんだんと二人に近づいてきたようです!

そんな二人の前に、女神様と嘘つきカラスが現れます。女神様は、二人の傷を癒そうとしてくれましたが、二人には、有難迷惑です。女神様の力は、現実世界で生きるための力であり、今の二人が目指すのは、夢の世界の力なのです。飛び立ったカラスを追って、二人は進みます!
カラスと女神のイメージ

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4. 素足で、駆けろ!

最後のメロでは、二人の重要な変化が示されています。なんと、二人が乗ってきた「戦車」が溶けてしまったらしいのです。しかも、溶けたのは、「つば」によってらしいです。夢の世界を目指して進んできた二人に、一体何が起こったのでしょうか?

私は、二人が魔法の世界により近づいたことを意味していると感じています。何でもベロベロ舐めるのは、子供の流儀。そして、その方法を思い出した二人には、鉄壁の戦車ですら、無用の長物となったのです。二人は喜んで、戦車を降りていきます。

そして二人は、現実世界で纏っていた全てを脱ぎ捨てて、駆けていくようです。戦車が二人を「乗せて」進むのではなく、自分の骸骨の足で「駆けて」いくのです。大人の流儀を離れ、子供の流儀で跳ねていく二人の姿が、浮かんで来ませんか?

そんな二人の願いは、蜂になりたいというもの。スピッツの曲において、蜂という存在は、例えば「ルナルナ」のように、人間の掟を離れて、自由に舞う象徴として扱われていることが多いと感じています。この曲の二人も蜂になって、魔法の世界を自由に飛び回ることでしょう!
スピッツ「日曜日」のメルヘンな世界

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さいごに

これが、私にとっての「日曜日」の世界でした。私たちも年を取るたびに大人になって、現実を見る術を得ていくわけですが、たまには昔の掟に従って、思う存分楽しんでみるのもいいかもしれませんね。「厳つい戦車」など、捨ててしまいたい!

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