スピッツの曲

スピッツの「白い炎」の魅力を語る。歌詞も独自目線で解釈

大空を舞う気球のイメージ
こんな記事

「素晴らしい音楽なくして、素晴らしい人生なし」。この記事は、そんな私の人生を彩ってくれる楽曲たちを紹介していくコーナーです。

今回ご紹介する「白い炎」は、スピッツの3rdアルバム「惑星のかけら」に収録の、スピッツの王道ロックスタイルを楽しめる楽曲です。

この記事では、そんな「白い炎」の魅力を語りつつ、歌詞の意味する世界に迫っていきます。白い炎を燃やした先にある世界とは?

「白い炎」とは

「白い炎」は、スピッツが1992年に発売した3rdアルバム「惑星のかけら」の収録曲です。前曲の「シュラフ」の幻想的な雰囲気を打ち払う明るいスピッツ・ロック曲で、アルバムの雰囲気を、再びロック寄りに引き戻す役割を果たしています。

曲名曲調一般知名度お気に入り度
1白い炎スピッツロック
爽やかロックのイメージ

1. 演奏への印象

「白い炎」は、スピッツロックを感じさせる楽曲ですが、同じくロックテイストだったリードナンバー「惑星のかけら」とは、曲の持つ明るさが異なります。「白い炎」の持つ雰囲気は爽やかであり、「惑星のかけら」のようなトゲの印象は薄めです。

この曲のボーカルは、対照的な二つのスタイルが同居していて面白いと感じています。サビの命令形の部分の歌詞は、優しく語り掛けるようですが、サビ終わりの部分などでは、あえて声を重くしたような、パンクっぽい声を感じています。

曲の中心を司るエレキギターが非常に印象的で、ロック魂を刺激されます。また、間奏部分で目立つ拍手のような音も楽し気で、曲が放つ軽快な雰囲気を演出しています。「白い炎」の演奏は、「眩しい日差しと快晴の空」といった感じですね。

拍手のイメージ

 

2. 個人的な想い

「白い炎」は、スピッツが2020年に発売したアルバム「見っけ」に収録されている楽曲、「ヤマブキ」のような明るい輝きを放っていると感じています。30年間、同じテイストを持ち続けているんだな、としみじみ感じています。

個人的に、この曲には気球のイメージを重ねています。内的な情熱の炎を燃やすことで、自分自身と言う気球を操り、人生と呼ばれる大空を爽やかに飛ぶ。爽やかな曲の雰囲気と、大空を気持ちよく飛んでいく気球が、相性抜群に感じています。

「白い炎」の曲のテーマとしては、「自由に舞え」と言った感じでしょうか。勇気を持って情熱の炎を燃やし、純粋な力で持って日々を回していこうぜ。この曲からは、燃え上がる炎とそれを補助するガスの匂い、若いエネルギーを感じています。

スピッツの「白い炎」で空を駆けるイメージ

 

歌詞の世界を考える

ここからは、「白い炎」の歌詞を見ながら、その歌詞が意味する世界について考えていきましょう。今回の考察のテーマは、「自由に舞え」としました。そのテーマを構築するために、以下の3つのトピックを準備してみました!

曲解釈はただの妄想であり、他人に押し付ける物ではありません。この曲を楽しむための私なりの妄想というだけですから、ご容赦ください!単純に、こういう話も当てはまるかもな、というだけの妄想です!

心地よい雰囲気のイメージ

 

1. メビウスの星

私は、彼が住んでいる場所が、Cメロでの「メビウスの星」だと考えています。とうぜんながら、メビウスとはメビウスの輪のことを示唆してるはずです。そんなメビウスの輪とは、裏を辿れば表に行きつく、裏と表が繋がった不思議な帯のことを言います。

この帯は、どこまで行っても終わりが無く循環し続ける特性から、無限と関連付けられることがあります。メビウスの星とは、生命の始まりと終わりという表と裏が結び付きながら、半永久的に回り続ける星を示唆しているのではないでしょうか。

ここでの問題は、その星がカラカラに乾いていること。これは、その星に住む主人公の心境を示唆しているはずです。そんな彼の目には、正義に平伏する日々が映っています。歌詞では、その正義がもし焼失したら、何かが起こるとされていますが・・・。

彼は、心の炎が生み出すエネルギーのやり場が無いように感じていますが、その開放を妨げるのは、その星の正義と掟のようです。生命の母なる惑星として、半永久的に回り続ける正義の星ですが、彼の理想の場所ではありません。その星の掟が、彼の炎を消そうとするのですから。
メビウスの輪のイメージ

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2. 二人の彼

ところで、この曲に登場するのは主人公と君ですが、ここでは登場人物は一人と考えます。つまり、彼の内面に異なる思想の二人がいた、という考え方です。メビウスの正義に従う合理的な彼と、別の原理で生きたいと願う二人の彼です。

彼の行動において、優位性を持っているのは前者の彼、つまり合理的な彼のはずです。その姿勢は、彼の心の炎を燃やすことができるスタイルではありませんが、メビウスの世界で生きていくためには、賢い方法だったのではないでしょうか。

一方、もう一人の彼の行動原理は、心の炎が燃えるか燃えないか。メビウスの世界の正義が提示する標本的な幸福を唯々諾々と受け入れず、心の炎にお伺いを立てるのです。そんな彼の心が喜ぶ薪は、例えば砂浜に転がる貝殻のようなガラクタです。

2番のメロでは、貝殻を愛する方の彼が、もう一人の彼に話しかけている様子が描かれていると解釈しました。「貝殻の彼」が伝えたかったことは、貝殻がもたらしてくれる幸福感。惑星の正義にただ従うのではなく、自分の情熱や笑顔を大切にしたらどう、との助言かもしれません。
彼が好きな貝殻のイメージ

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3. 白い炎

彼は、内面的な対話を続けながら、自分を見つめ直していたのでしょうか。その過程では、世界の掟に従って生きる悲しさを自覚しながらも、好き勝手に青臭いことばかりを語る「貝殻の君」に対して怒りも覚えたりもしたかもしれません。

しかし、そんな葛藤の奥で、彼の答えは決まっていたのでしょう。何だかんだ言いながらも、彼は自分を解放する日、貝殻の彼になる日、そして白い炎を燃やす日を待ち望んでいたのです。その心境が、Aメロで歌われていると考えています。

白い色は、純粋を象徴する色だと感じています。ですから、白い炎を燃やすことは、彼の純粋な情熱を燃え上がらせること。そしてその炎は、メビウスの星の正義の掟と、その掟に従っていた彼の過去を焼き切り、彼を自由にするのです!

半永久的に回り続けるメビウスの星は、惰性で回っているとも言えるでしょう。そして、白い炎を燃やすことは、その惰性を焼き切って、自らの情熱を持って能動的に人生を回していくということ。彼は、貝殻の彼からの言葉を原動力に、白い炎を燃やす人生を始めたのです!
彼の旅が始まったイメージ

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さいごに

この「白い炎」は、スピッツロックを感じる楽曲ですから、そのメッセージ性もスピッツ節の定番になる気がしています。その中心にあるのは、情熱を燃やして生きること。不細工なモグラだとしても、ノビノビやろうぜという事ですね!

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